「…お…お義母さん………」


やだ、ちょっと!
お義母さん、じゃないよ婿様!


社長を止めてよ!

無理だよ駄目だよ!
だってウチのメインじゃん!




「で、狭山の社長は蜜ちゃんに何だって言ったの!?」


社長の剣幕と、憤慨は凄まじく感情的だったけれど。

私からあらましを聞く間、バタバタと。

おにぎりの詰まったタッパーの蓋を開けたり、私にティーパックのお茶を入れさせたり、哲にお皿を出すように指示したり、していた。




…………社長…これ…おにぎり…って言わなく無いですか?

すっごいニンニクの匂いが…。




「…わかった。わかったわ。とりあえず食べなさい」

マモルさんが、ここ数日で蜜ちゃんやつれた、って心配してたわよ。



社長は。

高そうな牛肉に巻かれた、鷹の爪がチラチラ見える…とても美味しそうなんだけど、とてもニンニク臭くなりそうな“おにぎり”を。

私と哲とに、取り分けてから。



ああムカつくわね!!
と。

まさに“きーっ!”とばかりに、台布巾をテーブルに叩き付けた。