優しくて…苦い、夜。
一旦は苛立ちを収めたように見えた哲は、くるみこむように優しく、無言で。
私を抱いた。
昨夜来たお巡りさん2人は、外からの侵入経路をあっさりと探り当てて。
私の部屋に入るやいなや、いい匂いがしますね、なんて言っちゃってから。
慌てたように、出しっぱなしのレモンを、指差した。
いくらお巡りさんでも、知らないひとが部屋にいるのは、なんだか不快。
色々と不安定になった私を、黙って抱き締めてくれる哲は。
私の、大事なひと。
哲の部屋の電気をわざわざつけっぱなしにして。
私の部屋で、小さな電気をつけたまま、一緒に寝た。
もし、外から誰かが見ていたとしても、私は私の部屋、哲は哲の部屋にいると、思うように。

