【続】朝の旋律、CHOCOLATE



「とりあえず、座れ」



哲の体温があっても、震えも吐き気も、止まらなかった。

哲の誘導するままに、ベッドに座らされて。


コーヒー飲むか?なんて、やたらと優しく、囁かれた。





「………」


小さく首を縦に振った私の手を離して、コーヒーを淹れる為に立ち上がろうとした哲に。



「や…っ…行かな…」


い、で。

なんて。


最後まで言わないうちに、我に返った。


行かないで、って…私……。
なに言ってるの…。


ほら、哲困っちゃった。


コーヒー要る、って頷いた癖に、淹れに行くな、なんて。




すぅ、っと。
血の気が戻ってきた。

思考が動き出して、不思議なくらい穏やかに、静まった。





「…ごめん。大丈夫。ちょっと取り乱した」



私らしくもない。

怯えてたら、どうにかなるのか?

盗られたもんは、盗られたんだ。



モノは下着。
なにするかなんか、わかってる。




あの野郎。
私を…犯す気か。