【続】朝の旋律、CHOCOLATE



哲はよく食べるから。

海鮮丼二個、っていうのは、特別びっくりするような量ではないのだけれど。

私の白いご飯とひとつ、取り替えてくれた。


私は、哲が増量してくれたホタテもきれいに食べて。

鯛カマをつつきながら、ほんの少し、日本酒を呑んだ。



何となく、途中で真ちゃんが消えたことも頭の中から薄れ、ましてや。

しばらく見かけていない狭山久志の事なんか、蓋をされたかのように、忘れていた。




だから。

だから。



出掛ける前に確認した、階段の下にある郵便受けから。


携帯電話の明細書とか。

ダイレクトメールとか。

入っていたはずの、そんなものが無くなっていたことに。



私は内心。
ひどく動揺した。