【続】朝の旋律、CHOCOLATE




哲と、ごはん。


今まで、割と2人で外食すること、少なくなかった。

お昼も一緒だったし、夜も。

仕事が忙しくて、自炊するのも面倒な時間になっちゃった時なんかは、よく近くに食べに行った。



哲は少し、アルコールを呑んで。
私も少し、分けてもらって、呑む。


焼酎だったり、日本酒だったり、ジンだったりウォッカだったり。


今日は私がホタテを食べたいから。

よく行く、割烹料理店。



ここのご主人は、哲の赤い髪をいつも嫌そうに見て、文句を言うけれど。



「蜜さん、鯛カマ食べるか?」

「食べる」



わざわざ私にだけ訊くくせに、ちゃんと2皿、出してくれる。

そして必ず、小鉢に大葉を敷いて、イクラを少し、乗せてくれる。




「お?赤いの…なんだその顔」


「……イクラ…足んない」

「……………」



て…哲…

サービス品に文句付けちゃ駄目でしょ…?