【続】朝の旋律、CHOCOLATE



練習終わった。
どこにいる?

って電話をしたら哲は。


もう下にいるよ、と。

いつものように、しっとりとした声で、そう言った。




「ご飯は?」

「なに食いたい?」


ちゃんと、食べるのも待っててくれたみたい。



「飲んでないの?」

「これから」


「…真ちゃんは?」

「……蜜と別れてすぐ…巨乳の彼女に怒鳴られて、どっか行った」


「………怒鳴ら…」



…なんでだ。

どうしたんだ真ちゃん…。
なに怒らせたんだ…。




「………俺まで怒られた」

「なんで…」


せっかくの週末に、どうして真也をわざわざ誘うんだ、どうしてわたしの所に行くように言ってくれないんだ、どうして自分の彼女とイチャつかせるんだ、とな………?

…もう、えらい剣幕で。




「…え、いつから見てたの…?」

「さぁな…、ったく、ストーカーだらけだよな」



肩をすくめる哲は、呆れたように息をつくと、私のトランペットケースを、手に取った。