あ……。
そ、か。
しばらく来てなかったから、終わったんだと…思ってた。
「蜜、大丈夫だから」
一応、ってだけ。
どうせ暇なんだから、ついで。
哲は、真ちゃんの手でくしゃくしゃにされた髪を整える私にそう言うと。
余計な事ばっかり言うな、と真ちゃんの膝裏辺りを、蹴った。
「…哲」
そ、だよね。
あの人、変だったもんね。
練習……休めば良かった。
「…終わったら…電話する…」
ごめんね、哲。
なんだか、すごく束縛してる気がして、いたたまれない。
でも。
でも。
「…先にごはん食べたらやだ」
だから、迎えに来て?
「……真ちゃんは食べちゃっててもいいけど」
「…うわ、なにこの差別」
急に膨らんだ不安感にしょげた私の髪を再びかき混ぜると、真ちゃんは。
様子を見るように私の顔を、あからさまに、覗き込んだ。

