「哲~、行ってくるね」
トランペットを持った私。
少しだけ化粧して、エゴイストのライダースジャケットを、着た。
私は着る物も大好きで。
ブランドにはあまり興味は無いのだけれど、作りのしっかりしたものが、いいと思ってる。
「蜜、待って」
声をかけた哲の部屋では、2人とも、今まさに外出します、と言った格好だった。
「どこか行くの?」
「楽器屋と本屋と酒」
途中まで一緒に行こう、と。
哲の唇のピアスは、笑みを浮かべる。
ああ、飲みに行くの?
ごはん、食べてくる?
「練習終わって、ひとりぼっちなら、哲を貸してやってもいいけど?」
「………貸……」
やだ…
ちょっと、ショック。
どうしよう。
私…
……哲受けのBLが頭に浮かんじゃった。
……チョーごめん!
マジごめん!!

