【続】朝の旋律、CHOCOLATE



団長が、言っていた。

“次は、彼氏がいると公言なさい”って。


あの時は“次”なんかないと思っていたし、もしあったら、そうしようと…思っていた。




私は、鉄パイプを拾い集めながら、首を横に振った。


「哲、駄目」

何も言わないで。
お願いだから、私が哲を好きなこと、好きになっちゃってること、言わないで。




「若社長よぉ、うちの嬢ちゃんはなあ…」

「シゲちゃん!…待って」



やだ。

駄目…なんだって、ば…。


やめて。
ちょっと、待って。


遮られたシゲちゃんの顔は、怖い。

憮然、というか、明らかに納得いかない、といった様子で、私を睨み付けた。





「狭山さん、ちょっといいですか」



私は。

ぼかさず、遠回しにもせず。
はっきりと直球を投げなきゃならない。



できる。

大丈夫。怖くない。