Sympathy For The Angel

5時になると、snow drop に行くのは初めてだと興奮するハヤトを伴って家を出た。

9時には帰ると美優紀に言い残し、靴を履く。



バイクは押して行くしかないか。




私をsnow drop まで送り届けると、軽く会釈してハヤトはクラブへ出勤していった。

店の中に入ると、運良くそこでミヤとユキノがダーツで遊んでいる。


彼女達に近付き、「よぉ」と声をかけた。


「椿さん。ルカの方はどうですか?あれからうちらのメールとか電話とか全部、アイツにスルーされてるんですけど……」


今はまだルカも気持ちの整理がつかないんじゃなかろうか?

それならば、少しの間はそっとしておいた方が良いだろう。


「一昨日だったか、ルカん家に行って話をしてきた。こっから先はルカとシズとの問題だから、ルカの事はそっとしといてあげよう?」

いつもの上座ではなく、彼女達の隣の椅子に腰掛けてミヤの体をよく観察してみた。

だが、ルカのような打撲傷は見当たらない。

それはユキノも一緒で、軽い擦過傷が頬にあるものの、あれほど酷くはなかった。


「……ねぇ。あの時の話、話してもらってももう大丈夫?まだ怖い?」

一言彼女達に断って、トラウマになっていないかを確認してみる。


「あ…。もう大丈夫です。一日二日はさすがに怖かったけど……」

ね?と、ミヤとユキノは顔を見合わせて頷いた。


「まずさ、アンタ達を襲ったのは『炎龍』で間違いない?」

「はい。単車にペイントしてましたから」

「じゃあその炎龍の奴等はさ、アンタ達が『蘭』だと知ってて襲ってきたの?」


それは……と言い淀んだユキノの次の言葉を待った。