Sympathy For The Angel

平屋建てのルカの家につくと、早速インターホンを鳴らしてみた。が、誰もいないのかは分からないが全くの無反応だった。

「ルカさん、学校ですかねー?」

真依がもう一度インターホンを鳴らしたが、それはやはり沈黙したままだった。

いつの間にやら玄関のドアノブに手を掛けたエリカが、「開いてんだけど」と、面白くなさそうに小声で私達を呼ぶ。

そっとドアを開けてみると、通学用と遊び用のルカの靴が二足とも揃っていた。


「……ルカ?いるの?」

あまり大声を出さないように気を付けて、ルカの名前を呼んでみる。

すると、どこからかパタリとドアが開く音が聞こえてきて、ぱたぱたとそれに足音が続く。


玄関に出てきたのは、美優紀と同じぐらいに血色を悪くしたルカだった。


「やだもう。心配したよ?今日は学校に行ったの?」

ルカは弱々しく頭を横に振った。

「今、少し話せる?」

「はい。散らかってますけど、部屋にどうぞ……」

スリッパを人数分揃えたルカに礼を言って、家に上がらせて貰う。

「……すみません、ここんとこずっと寝不足だったんで……」

「いいよ、疲れたら横になって?」

パジャマの上にカーディガンを羽織ったまま、ルカは部屋に私達を招き入れると小さなテーブルの前に座り込んだ。



「昨日、シズに会ったよ……」

ルカの顔色がサッと変わった。