Sympathy For The Angel

学校に着いたら至って普通に授業を受けて、至って普通に昼ごはんを食べた。購買のぱさぱさした美味しくない焼きそばパンと、あんパン。うん、こんな日もたまには悪くない。


「アンタさ、何それ。パシリが買ってくるようなパン買って食ってんじゃねーよ」

エリカは私の食料を見て大笑いした。

煩いな。人のご飯を見て笑わないでくんない?

わざとずびずび音をたてて紙パックの牛乳を飲んでやった。


中庭に生えている、今はすっかり丸裸になって寒そうな桜の木をぼんやり眺めながら、昨日の樹に聞かされた話をぽつりぽつりと私は話し出した。


「昨日さ」

「うん?」

「樹の店に行って、全部話を聞いてきた。それでね……」

「……うん」




エリカは沈黙して、最後まで話を聞いていた。


「……じゃあ、ホストクラブは来月で辞めるんだ?」

「うん。紅蓮は多分、その後で弛んだ支部とか敵対勢力を一掃しようとしてると、私は思う」

「樹が帰って来るまでは、ヒロが紅蓮を守んなきゃいけないんだね」

「うん。それに昨日ヒロをパシリにしてごめん」

「……雑用係りに加えてパシリ属性まで与えられのか。自分の彼氏ながら哀れで仕方ないわ」

「ヒロには是非ジョブチェンジをお勧めするよ」

「まぁそれはどうでも良いんだけどさ。気になるのは、ルカと美優紀の事」


エリカも、その二人の話になると顔を曇らせた。