本日二回目のタクシーでの帰宅は、暗い気分を益々憂鬱にさせるには充分だった。


リビングでは母親と美優紀が談笑している。

つか、談笑って言っても母親が一方的に話す事に美優紀が相槌を打っているだけだし。


つまんね。


わざとらしく大きな音をたててドアを閉めると、足音も荒くソファーに近付いた。


「あのさ。美優紀を連れて来たのは私だから。私が美優紀の面倒を見る。アンタ達は勝手にして」


美優紀の手を引いて有無を言わさずリビングを後にした。


二階の自室に美優紀を連れて戻る。