だが、蘭の女の子達の彼氏の中には、ホストとして店に出されたコ達もいる。


昨日のルカのように。


「昨日、スズさんからメール来ました。ルカさんの彼氏さん、ホストやらされたって……」

「うん。そうみたいだね」

「私……」

「まぁ、ちょっと待ってくんない？今日の幹部会議で、本部が何を考えてんのか聞いてくる。答えはその後出すからさ」


痛々しげに私を見つめる真依の目は真っ直ぐで、心の底まで見透かされているような錯覚に陥ってしまう。


「私…私は、椿さんの事尊敬してますから、椿さんが傷付くような選択はしないで欲しい、です。紅蓮や蘭も大事だけど、それ以上に椿さんの事が、私は好きなんです」

「可愛いなぁ、真依は。どぉ？司はやめて、私と付き合うか？」


冗談目化してそう言うと、真依は顔を真っ赤にして私の腕に絡み付いてきた。


「美味しいパフェの店をみつけたんですよ！今度ご一緒したいです！」

「ねー、それ私はハブられてんの？」


突然聞こえたその声に不意を打たれて、思わず後ろを振り向いた。

「エリカおはよ」

「はよーっす。何、真依？アンタ司やめて椿とそーいうコトする仲になりたいわけ？」

「……そーいうコトって…。どんな事ですか？」

「えっちぃコト」


含み笑いで真依に返すエリカは性悪だ。


「え…ええええっちぃコト!!ですか!?」


真依のこの反応からして、司と真依がキス以上のコトをしているとは到底思えないがな。


「ぶふっ。相変わらず面白いね、アンタと司は」

赤面した真依の頭を私が撫でると、エリカが尚も茶化したように言った。

「まだ手も繋いだ事無いとか言わないでよね」

「手ぐらい繋いだ事ありますよぅ!!」

「エリカ。蘭のマスコットを苛めんなって」

苦笑してエリカを諭した。


真依の笑顔に、私はいつも癒されている。

真依や、蘭の他の女の子達にはいつも笑顔でいて欲しいと願っている。


その為に私はどの選択をすべきなのか、その解決策は未だにみつからない。




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