「ぉう、奈美お帰りなさい。帰ってきてたのか、本当に影すらみえなかったからきずかなかったよ。」
お父さんがいう。お父さんまでもが、私の存在をきずいてくれない。まあ、もう慣れているけど。
「うん、帰ってきてたよ・・・」
「そうか、それじゃあ、お父さん特製ハンバーグ食べるとするか」
「うん」

「お父さん!これ焦げてるよ!!」
「そぅか?まあ、食えるんだから食え食え」
「もー!」


私は、たとえお父さんにきずいてもらえなかったけど、ここには私の求めている、居場所がある。だから私は家がすきだ。そして今日も学校にいき。家に帰り。寝る。いつもと変わらない日々だった。



「奈美、朝よ起きなさい」(もう朝か…学校めんどくさいな)そんな事を想いながら朝ごはんをしっかりと食べて、学校に向かった。そしてまた、何も考えていないふりをして歩く。その時…「痛っ!!」(もう何!?)
「ぉう悪ぃ悪ぃ、ってお前もしかして昨日のお嬢様じゃん!?またぶつかるなんて偶然だなー、もしかして運命だったりしてなっ」
私は、無視してその場から逃げようとする。
「ぉーいちょっとまてよ、無視すんなって!」
「な、なんですかっなにかようですか!?」恐る恐る聞いてみる。
「まぁまぁそんな怒んなって、携番くらい教えろよー」
このままじゃ、学校におくれてしまう…この人についてこられちゃ困る…そんな軽い気持ちで携帯番号を教えた。
「よっしゃーさんきゅーじゃなっ」
(全くなんなんだろ?あの男)かすかではあったが私は、あの男の事が、頭からはなれなかった。昼休みのなり、私は、唯一本音を話せる、小学校からの親友の由架としゃばっていた。
「で、なになに?そのぶつかってきた男の名前は?」
「ぇええ…わかんない…。」
「はぁ?あんたねぇ、奈美!きになっている、男の名前くらいききなさいよ!」
「き、きになってなんかいないよっ!」
昼休み中そんな話を、由架としていた。由架は、私とは、正反対の性格で、なに事サバサバしていて、いつも私を助けてくれる、唯一の理解者。
授業中ボーっと私は、外を眺めていた。もしかしたら、頭の中で、あの男の事を考えていたのかもしれない。