目の前に青白い顔の女の子がいる。



「ひぃ!」


茶和子は驚いて尻餅をついた。



「クスクスクス」


女の子が笑いながら近づいて来る。



「だ、だ、誰?」



聞いても仕方ないのは分かっているのに、茶和子は無意識に質問した。



「クスクスクス。私は由希子」


意外にも少女はそれに答える。



さっきの幽霊が言ってたアイツって……?



「クスクスクス。そうよ私」



今度は聞いていないのに少女が答えた。



「有り難う連れてきてくれて」



「連れて……知らない。私は連れてきてなんかないわ」



「クスクスクス。アナタがお父さんにお金を出すように頼んでくれたんじゃない」



「どういうこと?」



「クスクスクス。私は綾の中にいたから……」


この少女の霊はいったい何を言っているのか?

茶和子にはまったく意味が分からなかった。



「お礼に仲間に入れてあげるね」





次の瞬間。




女の子の両手が、キツク茶和子の首を締め付け始めた。



「ぐ、ぐ、ぐるじぃ……」



転んだ茶和子の上に馬乗りになり、ニヤニヤ笑いながら首をしめる少女。






そして……


茶和子は目を見開いたまま、口から泡を吐いて絶命した。