呪島~ノロイジマ~

「ほぉ……おいしい……ですか?」


「ええ、そりゃあそうでしょう。この島の勤務は正味一ケ月だけです。それでまだ二十六歳の私が、一年間係長職の給料を貰えるわけですからねぇ。普通じゃ考えられませんよ」


「なるほど……」



「仕事の内容も実は大したことしてないんですよ。

毎年全ての島を回って作品を写真に撮って資料にしたり、

有名な彫刻家に出品を依頼したり、一般の参加希望者の審査をしたりくらいだし……。

まぁここだけの話しですけどね」


松本はニヤッと笑うと「それじゃあごゆっくりどうぞ」と手を差す。



「あっ、私が案内します」


横で話を聞いていたこの島に勤務している平尾祥子が手を上げた。



「えっ、イヤ申し訳ないですから」



「大丈夫ですよ。オープンは明後日からですし、今日だって大掃除だけなんですから。ねぇ松本さん」


平尾が笑顔で言う。



「うん。後は迎えの高速艇が来るのを待つばかりだし、全然大丈夫。ここで金子くんと留守番してるよ」


松本がもう一人の女性スタッフ金子由加里のほうを見て言った。