呪島~ノロイジマ~

「覚えてないの?」


「え? 何を?」


眉をしかめて聞いてくる。




「いや、だから……」



「何?」



「みんなを起こさなきゃって」


「誰が?」



「誰がって、綾がそう言ったんじゃない」


「いつ?」



「いや、だから今だってば」


「言ってないよそんなの。言うわけないじゃん」


綾は少しムッとしたような顔で、茶和子を追い越して、先に歩く健太郎の横に並んだ。


茶和子はそれ以上は言えなかったけれど……



それにしても、いったい何だったのだろう?


綾の背中を見つめながら、茶和子は言い知れぬ不安に襲われていた。