呪島~ノロイジマ~

村越の父は船を上手く横付けすると、素早く岸に上がってロープをかけ、もう一度船に乗り込んだ。




「それじゃあ行きましょうか」


すぐに有吉が村越の父に声をかける。


「いやぁ~大して見るとこもありゃあしませんし、三十分ほどじゃったら、ワシはここで待ちょーりますんで、先生らぁだけで行ってきんちゃい」



「え? あ、ああ分かりました」


村越の父に言われて、有吉が頷いた。




「おいオマエら行くぞ」


「はい」
「はぁ~い」


有吉が先頭で船から下りると、次いで浩太が下り、健太郎が続く。



「じゃあ行ってきます」


茶和子が村越の父に笑顔で言ってから後に続くと、同じく綾も「じゃあ行って来ます」と会釈をした。



「ああ、ワシには何やらよう分からんもんばぁじゃけんど、あんたらにゃ~芸術的なんじゃろうけぇ、楽しんできんちゃい」


村越の父に送られて、綾が最後に船から下りる。



生まれて初めて足を踏み入れた島。



なのに下りた途端、懐かしさと、憎悪と悲しみと、そして恐怖とが入り乱れた、何が何だか分からないような感覚に包まれる。



そして……