呪島~ノロイジマ~

「五時前ですねぇ、ギリギリセーフかなぁ」


村越が時計を見ながら呟く。



「そうなんですか?」


「ええ、普段はねぇ芸術祭期間中の五時までの営業なんですけど、今は運営の準備があるから、職員が遅くまでやってるはずです」


「えっ、でも、そんなときに押しかけちゃ迷惑なんじゃないですか?」


「そうですねぇ……でも、展示室を見させてもらうだけだし……。ちょっと電話してみます」


村越は携帯電話を取り出すと、芸術祭運営事務局の番号を呼び出してかけた。


「もしもし五色町役場観光課の村越ですが……」


村越の電話の様子を全員が見つめる。


しばらくやりとりをした後で電話を切った村越は笑顔だった。


「OKです。今からすぐに行けば、七時頃までには帰ってこれますから」


「すみませんね」


「いえいえ、これも仕事ですから。で、ですねぇ、実は直行便の船がないんですよ」


「え? それじゃあ」


「心配は無用です」


村越は笑顔で答えた。