「はぁ〜〜〜」


身体の力が抜けた。


いったい今の感じは何だったのだろう?



綾はホッとして、すぐに健太郎の後を追おうと振り返る。












目の前に青白い顔の女がいた。



身体中が複雑に折れ曲がり、苦しそうな顔の、自分と同世代の女。



「きゃぁああああああああ」


綾は後ろに尻餅をつく。


その身体目掛けて、女の霊が覆いかぶさってきた。




「どうした!?」


健太郎が部屋に飛び込んできた瞬間。



女の霊は消えた。



「大丈夫か! 高瀬!?」


真っ青な顔の綾を、健太郎がすぐに抱え起こす。


「うん。大丈夫」


綾は震えながら答えた。