呪島~ノロイジマ~

「川野!」


安田が叫んだけれど、川野からの返事はない。


入った三人は顔を見合わせる。


「と、とりあえずこの娘を運ぼう」


安田の指示で片岡と日村が早紀の身体を抱える。


三人は急ぎ足で外に出た。



「川野は?」


出てきた安田に清水が聞く。


「いません」


安田は首を横に振った。


「いないじゃないだろう」


「でもいないんです。隊長、ここからは人命捜索から、遺体回収に切り替えましょう」


安田は泣きそうな顔で申し出た。


遺体回収に切り替われば、二次災害の防止も兼ねて、明日の朝からの作業となる。


時刻はまだ七時だけれど、すでに辺りは真っ暗だから、気味が悪くて仕方ないのだ。


「いや、しかし……川野の行方が分からんのに」


「いませんでした。そう広い洞窟じゃありませんから、いれば分かりますよ」


安田は必死に訴えかける。



さすがに判断を下しかねた清水は、消防本部に連絡を入れようとした。





繋がらなかった……。