この様子は生中継で全国に放送されている。



住職の読経が突然止まった。


何か言いようの知れない並々ならぬものを感じたからである



次の瞬間――。



「うわぁあああああ」
「きゃあーーーーー」
「うわっ!」
「ひぃいいい」


一斉に悲鳴がこだまする。


と同時に物凄い音がした。



地面が大きく揺れて、全員がその場にしゃがみこむ。



そして大音響と共に、洞窟の入り口が崩れ落ちた。



リアルタイムで全国にこの様子は中継されている。



突然照明が消え、真っ暗闇になった。


当然お茶の間の視聴者が見ている画面も真っ暗になる。


テレビを観ている人たちは固唾を飲んで画面を見つめた。




そのとき――








画面いっぱいに現れたもやが、人の顔の形になり、不気味に笑みを浮かべた。