「お母さんが来たの? ぇっ、でも……で、何?」
「いや……」
「ちょ、何なのよ? お母さんがどうしたのよ?」
急に不安が襲ってきた。
「うん。それが……」
父の表情がただ事ではないと語っている。
「海に落ちて……」
「え?」
「まだ見つかっていないんだ……」
「嘘よ!? 何で……? 何で海に?」
「分からないよ……それは教えてくれなかったから」
「教えてって誰が?」
「警察だよ」
「あ、ああ……」
早紀は苦しかった。大好きな母が海に落ちて行方不明。
(何で……? 何でそんなことに?)
ガクガクと震えが来た。


