呪島~ノロイジマ~

懐かしい実家の中に過去の自分が入っていく背中を見ている。



「ただいま~」


「お邪魔します」



「あれ? お母ちゃん帰ってないんかな?」


彰子がキョロキョロしながら部屋の奥に進む。



「あれ? 何じゃろうこれ」


卓袱台の上にメモが置いてある。


『竜太郎へ。お母ちゃん風邪じゃと思うけど、ちょっと調子悪くなったけん、お父ちゃんに船で病院に連れてってもらうけん。彰子のことお願いね。


あきこへ。おかあちゃんびょういんにいってくるから、

おにいちゃんのいうことをきいて、え~こにしてまっとってな』


「え~~~~」

メモ書きを見た彰子が顔を曲げた。



「そんなんじゃったら、もうちょっと学校で遊んどったらえかったわ」



病院に行った母の心配より、早く帰って来いと言われて渋々帰ったら、母がいなかったことに腹を立てている。


彰子はこの歳になって、今見ている映像に対して思わずツッコミを入れそうになった。