結局早紀を一人だけ残し、四人で保養所を出る。


「どこまでいくの?」


美春が彰子に聞いた。




「うちの裏」


「うちのって、彰ちゃんちの?」


「うん。洞窟があるの」


「え? そんなものが……?」


「うん。たぶんみんな知らないと思う」


彰子は懐中電灯で足元を照らしながら進んでいく。





勝手口から外に出て、すぐ目の前にある建物の脇へと回る。


その建物に隠されるように、斜面にポッカリと大きな穴が開いていた。



「ここよ」


彰子はそのまま真っ暗な中に進んでいく。


三人も足元に注意しながら後に続いた。




いかんせん洞窟の中は、月明かりすらない真っ暗な世界である。


彰子は懐中電灯を動かしてあちこち照らす。


そのとき一瞬明かりの中に、小さな女の子が立っていた。