「たとえ止めても俺は行きます」



「あなた……確か山崎くんだったかしら?」


「はい」



「気持ちは有り難いんだけど、連れてはいけないの……。

早紀と美絵ちゃんのことをお願い」



「何があるんですか?」


「え……? な、何も」


「じゃあどこに行くんです?」



「それは……」


「いったいこの島は何なんですか?」


「何って……」


彰子が言いよどんだ。



「アナタはこの島の人ですよね?」


今度は美春に質問する。


「そうよ」


美春が答えた。



「島の人と親しく呼び合ってるってことは、アナタもこの島の出身なんでしょ?」


敦也は彰子見る。



「そ、それは……」


「遠藤さんによく似た幽霊……。

アナタは何を隠してるんですか?」


敦也は厳しい口調で言った。