「あっ、でもキッチンがありましたよね? ガスレンジで点ければいいんじゃないですか?」


早紀が思いついて提案する。



「それが……IHなんだよ。オール電化でさぁ、ガスは使ってないんだ。

ほとんど無人だから、やっぱガスは危ないでしょ?」


「ああなるほど」


早紀は納得した。



「じゃあ火を点ける物が何もないの?」


祐次が何か方法がないのかと思案しながら聞く。


「ああ……」


輝之が力なく答えた。