呪島~ノロイジマ~

小雨とはいえ、降り続けば濡れた体が冷え込んでいく。


途中からほとんど意識がハッキリしないような状態のまま、

早紀は保養所に向かっていた。


幸いな事にあれ以来幽霊は出てこない。


こんな状態で出てこられたら、どうやっても逃げることは出来ないだろう。


外灯も何もない真っ暗闇。

雨雲に月も隠されているから、ほとんど何も見えない状態で、

それでも早紀は道に沿って山を下っていく。


先ほど間違えた倒木の場所を越えた所で、保養所の明かりが見えた。


あの時はどこも電気を点けていなかったはずである。


誰かがいるのだ……。



そうだ! 祐次が美絵をベッドで寝かせていると言っていた。



美絵はまだ生きているのかも……?


早紀は朦朧とする頭でそう思い。


歩くための糧とした。