呪島~ノロイジマ~

――抜けた!


瞳は大急ぎで身体を反転させる。

懸命にさっき人影が見えたほうに走った。


後ろを振り向かず必死で走る。



(お願い由梨、追ってこないで!)


そして人影が見えた辺りで山に向かう登り道を見つけた。



瞳は息も絶え絶えながら、それでも山道を登り始める。




すぐに前を歩く人物に追いついた。



――見覚えがある服装……。しかし輝之ではない。



男が振り向いた。



もはや生きていないことが分かる青紫色の顔。


目はうつろで、舌がだらりと垂れたその顔は……



「荻野くん!」


瞳はいなくなった由梨と健介が、もはやこの世にいないことを知った。