呪島~ノロイジマ~

(輝之ならどちらに進むだろう……? 輝之なら)



そこで瞳は疑問に思った。


輝之は毎年のように保養所に来ているし、山を越えて反対の岡波の町に行ったこともあるのだ。



それならばこの枝道に入った段階で、おかしい? と思うのではないのか……?



瞳の胸に言い知れぬ不安がよぎった。



「輝之ぃいーーーーーー」


大声で叫んでみても、まったく返事は返ってこなかった。



どちらにしろこのままでは埒(ラチ)があかない。


瞳は泣きそうになる自分をグッと堪えて、なだらかな道を下る。



しばらく下ったところで海に出た。



キョロキョロと見回すが、誰の姿も無い。


ちょっとしたビーチになっているが、その両サイドは大きな岩があって、それ以上は海沿いを進めないようになっていた。