前方を進む大輔の後を追うように三人は山を登る。


ところが枝道までまだまだ半分ほどのところで、美絵がうずくまってしまった。



「ちょ、金森さん大丈夫?」


敦也が心配そうにしゃがんだ。



「うん。頭が……」


言いながら美絵は眉をしかめる。


「無理だな……」


「え?」



「結城さん。金森さんを連れて行くのは無理だ」



「そんなぁ」



「頭を打っているのに無理をさせるわけにはいかないだろ」



「そうね……。じゃあ美絵は戻ってベッドで寝てなさいよ」


「嫌よ! 幽霊がいるのに一人でなんて嫌よ」


美絵は泣きそうな声で言って、敦也の腕にしがみついた。