祐次と早紀は輝之を助ける為に急ぎ足で山道を登った。



残してきた健介と由梨のことが気にはなるが、今は日が暮れる前に輝之をなんとかしなければならない。


自分が道を間違えなければ、山崎くんと瞳と行き違いにならなくてすんだのだと思うと、正直早紀は気が重かった。



輝之の滑り落ちた斜面は結構急で、足を怪我している輝之を、早紀と祐次の二人だけで何とか出来るとはとても思えない。


それでも、輝之を放ったらかしにしたままなのは気がひける。



一応ダメでも現地まで行ってやらなければ……。


早紀は自然と急ぎ足になっていた。