船の位置からだと建物の中は、かろうじてエントランスホールが見える程度である。


中に入った三人がどうやら階段を上がっていくように見えた。



その時……












「遊ぼ」




「うぁああああああああああ」


すぐ後ろから話しかけられ、茂行は驚いて振り返りながら尻餅をついた。




「遊ぼ……」



アノ女だった……。




ただ……今日貴志の家で見た女とは感じが違う。



明らかに、向こうの方が現代風。


こちらの方が古風とでも言うのだろうか……?


「遊ぼ……」



尻餅をついたまま、目を見開いて見上げる茂行に向かって、女はニヤリと笑った。