「どうしたの?」
「どうかしたのか?」
「いや……何でもない」
「俺は由梨を捜す。オマエら二人で行け」
健介が言った。
「でも、急な斜面だよ。テルさん怪我してるし、私たちだけじゃ」
「悪りぃけど!」
健介が大声で遮った。
「先に行っててくれ。由梨を見つけたら、すぐに後を追うから」
有無を言わせぬ強い口調に、祐次と早紀は何も言い返せなかった。
「分かった。先に行ってるから、すぐに来てくれ」
「おお」
祐次は携帯電話を取り出して、画面を確認する。
やはり『圏外』の表示。
(こんなときに携帯が使えたら……)
祐次は唇をかんだ。
「どうかしたのか?」
「いや……何でもない」
「俺は由梨を捜す。オマエら二人で行け」
健介が言った。
「でも、急な斜面だよ。テルさん怪我してるし、私たちだけじゃ」
「悪りぃけど!」
健介が大声で遮った。
「先に行っててくれ。由梨を見つけたら、すぐに後を追うから」
有無を言わせぬ強い口調に、祐次と早紀は何も言い返せなかった。
「分かった。先に行ってるから、すぐに来てくれ」
「おお」
祐次は携帯電話を取り出して、画面を確認する。
やはり『圏外』の表示。
(こんなときに携帯が使えたら……)
祐次は唇をかんだ。