健介は真っ青な顔で部屋を飛び出していく。


祐次は美絵の身体を抱きかかえると、ベッドの上に寝かせてやってから、健介の後を追った。


廊下に出て、左右の様子を窺う。



何か嫌な雰囲気を感じたからである。


祐次は一度大きく呼吸してから、健介が行ったであろう裏の廃屋に向かった。


勝手口から外に出て、茂みを掻き分け奥へと進む。


その時……


廃屋の中から健介が出てきた。



「どうした?」


「いねぇんだよ!」


真っ青な顔で健介が答える。






その時……