呪島~ノロイジマ~

「早紀……落ち着いてよく聞きなさい」



『うん。何?』


「そこから海が見える?」



『えっ……うん。木の隙間から見えるけど……』



「何か見えない? 島とか向こう岸とか……」




『あっ……うん。えっと、クジラみたいな形の島が見える……

それから……何だろう……ほら、建築中のマンションなんかで荷物を吊り上げるやつ……』



「造船所のクレーンね」


『うん。それ!』



「分かった。もう大丈夫よ」


彰子は愛する娘の為に、封印していた記憶を、懸命に呼び起こしていた。