呪島~ノロイジマ~

「輝之さんって、お金持ちなんですよね。いいなぁ」


「いやいや、それはまぁ、親がってことだから……」


「でも将来は社長さんなんでしょう?」



「いや、兄貴がいるから……」


「えっ、じゃあヒトミン、玉の輿じゃないじゃん」


「ちょっといい加減にして! もう、早く行きましょうよ」


由梨の質問攻撃を、瞳が大声で遮った。



「はぁーい」


由梨がおちゃらけて返事をするのに合わせて、「じゃあ行くよ」と輝之がエンジンを始動させる。



「あっ、じゃあもう一個だけ、最後の質問」


アクセルを踏んで車をスタートさせた輝之に由梨が手を挙げた。


「ん、何?」


輝之はバックミラー越しに由梨を見る。



「何で輝之さんは、ヒトミンと付き合ってるのにエッチしないんですか?」


由梨の質問と同時に、焦った輝之が急ブレーキをかけたので、全員が前につんのめった。