お前のすべてを愛してやる【完】

だけどすぐに下をチラリと見た衣月。



「ひっ!!」



すると後ろから悲鳴のような声がした。



「おい、おっさん。次の駅で降りるぞ」



衣月は痴漢をしていた男の手を捻り上げた。



「それだけは…!!」



「あぁ?」



二人のやり取りを見て亜矢乃は思った。



きっとこの人には奥さんや子供もいるんだろうな。



警察に突きだせば、この人は捕まる。



そしたら家族はバラバラになっちゃうかも…。



だからと言って許せることじゃない。