お前のすべてを愛してやる【完】

でも見上げたら気持ち悪がられるかもしれない…。



カッコイイからモテるんだろうな。



でも、それなら綺麗な人しか見てきていないはず。



こんなわたしを見たら、引いちゃうかな。



ううん、隣になったことだけでも感謝しなきゃ…。



それにさっき、目合ったし…。



大丈夫だよね…。



わたしは痴漢の手と格闘しながら、ゆっくりと見上げた。



「ん?どした?」



首を傾げる彼に人の目を見るのが怖い亜矢乃は目をキョロキョロさせながら口パクで“た・す・け・て”と訴えた。



「ん?」



衣月は眉間に皺を寄せ亜矢乃が口パクで言った意味を考えていた。