お前のすべてを愛してやる【完】

すると男の隣から



「衣月、やっぱお前ズリー」



なんて声が聞こえてきた。



「は?なにがだよ」




「だってよー、電車が揺れて女の子がフラついて、それ抱きとめて?〝大丈夫か?〟なーんてカッコイイセリフかまして女の子真っ赤ーとかズルすぎんだろうが!!」



わ、わたし顔赤いの!?



二人の会話に慌てて俯いた。



「あのなー、信。俺だってな、わざと転ぶような奴は助けねぇぞ。こいつはマジだったろうが」