お前のすべてを愛してやる【完】

「亜矢乃、大丈夫…?」



真琴がすかさず声を掛けると、亜矢乃は携帯を取り出し文字を打つと見せた。



【結構ツライかも…。でも決めたことだから】



「亜矢乃…」



衣月くん、ごめんね。



急に別れるなんて言われても困るよね、怒るよね。



いいよ、そのままわたしのことを嫌いになってくれたら。



それから一ヶ月。



最初は教室に来て話し掛けていた衣月だったが、亜矢乃は拒否し続けた。



そのうち教室に来ることも、電話がかかってくることも、メールがくることもなくなった。



「亜矢乃、最近大倉と一緒にいねぇな。喧嘩でもしたか?」



放課後、達哉に声を掛けられ一瞬ビクリとするも、亜矢乃は文字を打ち画面を見せた。



【うん、別れたから】



「…なんでだよ」



【好きじゃなくなったから。色々話し合って、別れたんだよ】



「へぇ、それにしちゃ苦しそうだな、お前。まぁ、お前らが決めたことなんだから何も言わないけどさ」



……。



達哉はそれ以上何も言うことはなかった。



これで、いい。



これで、いいんだ。