お前のすべてを愛してやる【完】

「なぁ、亜矢乃」



今度は達哉が声を掛けた。



「お前、俺に嘘ついただろ」



達哉の言葉にドキリとした。



「お前、大倉とは話し合って別れたって言ったよなぁ?」



だって、そう言わないと達兄、衣月くんに話しちゃうと思ったから…。



「あんだけ毎日一緒にいて、突然別れたってのもおかしいとは思ってたんだよ。あのことが原因なんだろ?」



……っ。



達哉に言われ、息が詰まった。



「島田先生、あまり神崎さんを刺激するのは…」



「分かってます。分かってるけど、大倉。お前もツライだろ?どうしてこうなったか」



衣月は何も言わず、頷いた。



「亜矢乃、言うぞ」



やっ…、それだけはやめてっ!



亜矢乃は必死に首を横に振った。



「亜矢乃。俺は、お前の全てを愛してやるって言ったの忘れたのか?」



……。



衣月の言葉に、亜矢乃は目に涙を浮かべた。