お前のすべてを愛してやる【完】


「そうかそうかー。冴木は、中野と遊びたかったんだなぁ」



「うん…」



「でもな、だからって人のモノに傷を付けたらダメだ。冴木だって大切なモノに傷付けられたら悲しいだろ?」



「うん…悲しい…」



実知も分かっていた。



大切なモノに傷を付ければ亜矢乃が悲しむことを。



けれど、そこはまだ小学一年生だ。



言葉で解決なんて出来るわけもなく、ランドセルに傷を付けてしまったのだ。