お前のすべてを愛してやる【完】

「し、したくない…」



いつもの衣月に戻って安心はしたが、それとこれとはまだ別の話なわけで…。



「ふーん。したくないんだ?」



衣月のニヤついてる顔が想像できるから、亜矢乃は下を向きコクンと頷いた。



「大倉くんは…」



「んー?」



亜矢乃の小さな声に、衣月は顔を近付けた。



「大倉くんは、わたしとキスがしたいから……いたっ!」



喋ってる途中で軽く頭を叩かれ、マヌケな声が出た。



「バーカ。んなわけあるか。亜矢乃が好きだから、キスだってしたいって思う。普通だろ?」



普通…。



そんなのわたしには分かんないよ…。



好きになることも、付き合うことも、何もかも初めてで興味はあるけど〝キスしたい〟って感情がまだ湧かなくて。