お前のすべてを愛してやる【完】

「イジメに遭ってた」



「イジメ…?」



〝イジメ〟と言った衣月は今にも消えてしまいそうな、そんな声だった。



「あぁ、同じクラスの女子がイジメてた。俺は何度も何度も助けたつもりでいた。イジメてる奴らから守って、そいつの笑顔を取り戻したかった」



イジメてる奴らから守る、か。



いいな、その子。



わたしには、そんな人いなかったから…。



大倉くんみたいに守ってくれる人がいたら、わたしはもっと頑張れたのに。



「だけど2年前の8月、電話がかかってきてさ。〝大倉くん、いつも助けてくれてありがとう〟って。俺、すっげぇ嬉しくてさ。やっと笑ってくれたって、一人で舞い上がって。〝おぅ!これからも任せとけ!〟って言って〝また明日な!〟って、お互い笑って電話を切ったんだ」



正直、そんな話は聞きたくなかった。



大倉くんの恋の話なんて。