お前のすべてを愛してやる【完】

「そうか」



それだけ言うと衣月はまた、亜矢乃の手を引いて列に並んだ。



列にはカップルや家族連れ、友人とだったり修学旅行生徒だったり…と、色んな人がいた。



手を繋いでるわたしたちは、どう見えているのだろう。



恋人に見えているのかな。



チラリ右上を見ると、いつもの衣月とは違う目の笑っていない彼がいた。



並んでた時間は5分くらいだったけど、その時間がとても長く感じた。



「二名様ですね、どうぞー」



係りの人に案内され、わたしたちは中に入った。



衣月が入ってすぐ右に座り、亜矢乃はその向かいに座ろうとした。



だけど〝何してんの、隣来いよ〟と、腕を引っ張られ衣月の隣へ座ることになった。



「さっきは、悪かったな」



左の人差し指で頬を掻きながら照れくさそうに謝る衣月。



「え、どうして謝るの?わたし嬉しかったよ?」



亜矢乃は、衣月の横顔を見つめた。