お前のすべてを愛してやる【完】

「よし、班決まったなー」



橋田が教室を見渡し言った。



わたしの大嫌いな先生。



「先生ー。神崎さん、一人ですけどいいんですかー?」



ニヤニヤ笑いながら橋田に声を掛けた一人の男子生徒。



他の子たちもクスクスと笑っていて、わたしは俯いた。



「あー、誰か班に入れてやれ」



かったるそうに言った橋田に、みんなからは〝エーッ!〟とブーイングが起こった。



「文句を言うな。神崎一人だとかわいそうだろ」



先生は何気なく言った言葉かもしれないけど、わたしは深く傷ついた。



〝一人だとかわいそう〟



修学旅行なんか、行きたくない。