お前のすべてを愛してやる【完】

けれど、ゲートをくぐって早速見てしまった光景に亜矢乃は固まった。



制服姿の男女が、たくさんいて。



5人班で数組がキャッキャといいながら次に乗る乗り物を決めていた。



「あ、修学旅行とかかなー?」



「うん…。そうかもね」



真琴も目に入ったらしく、口に出した。



真琴は小学生の時はイジメられてなかったから、きっと楽しんだんだろうな。



そして、その中でわたしは見つけてしまったんだ。



……一人ポツンと誰の班にも入れずにいる女の子を。



「……っ」



「亜矢乃?どうかした?」



それは、昔の自分を見ているようだった。