お前のすべてを愛してやる【完】

「帰んぞ」



「え、待ってください!」



先にスタスタと大股で歩きだす衣月。



〝島田先生に妬いたなんて言えねぇだろ〟



パタパタと後ろから追いかけてくる亜矢乃に聞こえることもなく衣月の声は風と一緒に消えていった。



「あんた、ほんと歩くの遅いよな」



衣月が後ろを振り返りながら言った。



「大倉さんが早いんですっ」



「そんなことねぇだろ」



「そんなことあるんですっ」



亜矢乃が一所懸命小走りで衣月に付いてるとピタリと衣月が止まった。



「なぁ、マジでデートしねぇ?」



「え…?」



二人の間にまた沈黙が起きた。